卒業生紹介




東樋口 貴子
2003年 京都精華大学  美術科 洋画専攻 2回生

 


メッセージ

今思い起こせば、私がさんかく工房で習っていたことはまさしく「絵を描く喜び」だったのではないかと思います。私は精華大の洋画科に進学したのですが、絵を描いて何かを誰かに伝えるということは。作者本人の何かしら伝えたい部分をそこに最高に近い部分で伝えていかなければならないことだと思います。そうする為にはまさに画面への描く、描ける喜びがなくてはならないのではないかと思います。今ふと思えば、単なる石ころを描いてもなぜこんなに興奮して描いているのかはわかりませんが、次々と湧いて出てくるこのワクワクした感触は本当に心地良いものなのです。そして誰かに見せたくなるのもきっと誰かに、普段は見れない秘密を教えてあげたいからなのかも知れません。こういった感情はさんかく工房で描いていたときと全く同じです。どんな子にも「見てごらん」と手招きして、まるで宝探しをしていたかのようです。先生方も本当に根気強く丁寧に指導してくれました。もちろん受験がある種の目標ではありましたが、普段は本当に直前まで受験をほとんど意識しませんでした。そういった受験へのプレッシャーに弱い私でしたが、普段は純粋に「見て描いていた」ような気がします。だから受験の時になってもほぼいつも通りしたような気がします。

この様にさんかく工房では本当に物造りに対する根源的な部分を少しでも理解して、心豊かになる為の訓練をしていたように思います。

私はまだ大学に入って1年ほどで、知らないことや解らないことがたくさんありますが、こういった「絵を描く喜び」は少なくとも一生絶やしてはならない部分だと思います。

2003.3


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